映画、漫画、ライトノベルのストーリー構成には異なる点もありますが『物語』の作り方には共通するルールがあります。 特に、ハリウッド式の脚本術で定番の「起承転結」「三幕構成」や「Save the Cat!」の考え方を知らないと、ルールも分からずゲームやスポーツをプレイするようなもの。しっかりと基本を理解し、あらゆるシナリオ作りに役立てましょう!
脚本とは、映像作品や漫画、小説などのストーリーを構成するための設計図のようなものです。しかし、媒体によってその形式や書き方には違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく掘り下げて解説します。
一目ではそれと分からない伏線が巧みに配置されています。かつ映像的にも面白く、軽快なテンポの良さと相まって、普遍的な魅力があります。
映像で伝えることを意識し、登場人物の心理描写は視覚的な演出に任せることが多い。
漫画のシナリオは、コマ割りとページ構成を考慮して執筆されています。プロットの次段階としてネーム作業があり、セリフの長さや擬音、視線の流れなど、読者の目線を誘導するテクニックが随所に隠されています。
バトルシーンのテンポを意識したコマ割りが印象的。トーンはほとんど使われおらず、斜線やアクションに頼った視線誘導は圧巻。
1ページの中でどのように情報を配置するかを考えながら視覚的なインパクトを持たせる。
ライトノベルは基本的に小説形式で書かれますが、映像的な描写やキャッチーな台詞が求められます。挿絵の存在も頭に入れながら、読者がイメージしやすいストーリー展開を意識しなければいけない。
軽妙な語り口とキャラクターの魅力を前面に出すスタイル。登場人物はいわゆるアニメ的で、マンガに置き換えても違和感は沸きづらい。
一人称視点はキャラクターの内面描写を掘り下げることで読者の没入感を高める。その代わりにアクションを書くのは難易度が高め。
逆に三人称視点だとアクションを空間で描写できるため、映画的なシナリオに向いている。
どのジャンルでも共通するのは、読者や観客がワクワクさせなければ続きを読んでもらえないということ。基本となる物語の構成を理解して、読者・視聴者をあなたの世界に引き込みましょう!
シナリオを作る際、どんなジャンルであっても基本となるのが『三幕構成』です。この構成は、物語を3つの大きな部分(幕)に分けることで、読者や観客を自然に引き込み、感情を高めながらクライマックスへと導く手法です。
映画だけでなく漫画やライトノベルのシナリオにも応用でき、無意識・意識的を問わず、多くのヒット作がこの構成に当てはまります。ベテランだけでなく初心者にとってもシナリオの流れを整理しやすくなるので、まずは一度、基本の構成を学んでみましょう。
読者が次の展開を予測しやすく、興味を持ち続けやすい。
起承転結を明確にし、起伏のある展開が作りやすい。
主人公が試練を乗り越え、クライマックスで変化する普遍的な構造が自然に組み込める。
幕 | 内容 |
第1幕(セットアップ) | 主人公などの登場人物、世界観を紹介。物語の目的が決まる |
第2幕(対立・試練) | 主要人物たちが問題に直面し、成長しながら困難を乗り越えていく |
第3幕(クライマックス) | 物語の最大の盛り上がり。結末に向かって収束する |
このように三幕構成を理解すれば、作り手が流れを理解しやすくなると同時に、読者や観客をスムーズに物語へと引きこむことができます。ジャンルを問わず応用が利くので、意識して積極的に使っていきましょう!
ハリウッドのヒット映画の構成を分析し、成功するシナリオの共通点をまとめた名著。三幕構成をさらに細かく10のストーリービートに分解し、具体的な展開の作り方を解説しています。
例題も豊富で、映画だけでなく漫画やライトノベルにも応用可能。基本的にはいわゆる「この一冊!」なバイブルといえるでしょう。
作り慣れてきたころにオススメな続編『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 SAVE THE CATの法則』『SAVE THE CATの逆襲 書くことをあきらめないための脚本術』もあります(逆襲は訳の関係でオススメしませんが)。10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術のほうはシナリオ習得以外にも、単純に映画好きが読んでも面白い読み物なので、できたらセットで買いそろえたいところ。
漫画だけでなく、全てのシナリオ作りに通ずる本。どのように物語を作るのか、コマ割りや視覚的な演出まで総合的に意識しながら、物語の推進力はどこにあるかが丁寧に解説されています。漫画原作や、マンガっぽい話を考えている人は必読の一冊。
著者自身のマンガからの引用や描きおろし、人気漫画の引用などで、学びながらも楽しめる作りになっているので、こちらも読み物としてもオススメです。
ベストセラー作家のディーン・R・クーンツが、小説のストーリー構成やキャラクター作り、執筆のテクニックを解説した一冊。脚本だけでなく、小説やライトノベルの執筆にも応用できる実践的な内容が詰まっています。出版事情に関しては日本と違う部分があります。
『マルドゥック・スクランブル』などを手掛けた冲方丁が、ライトノベルのストーリー作りの技法を解説。ライトノベル特有のキャラクターの作り方や、読者を引き込むためのコツが学べます。ライトノベル作家ならではの軽快な読み口で「ラノベしか読んだことがない」という人でもスルスル内容が頭に入ってきます。
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者・荒木飛呂彦が、漫画のシナリオ作りやキャラクター構築について語った指南書。ストーリーの構成やキャラの魅力を高めるポイントが豊富に紹介されています。
物語作りへの考え方や姿勢だけでなく、ジョジョシリーズの裏話的な情報も多く載っているので、舞台裏を覗く目的での購入もアリ。
次回以降の記事では「Save the Cat!」の10のストーリービートをそれぞれ詳しく解説し、実際に使えるシナリオの作り方を紹介していきます。
・各ストーリービートの具体的な役割とは?
・有名映画や漫画の事例を交えて解説
・あなたの作品に応用する方法
「Save the Cat!」を理解すれば、どんなジャンルの物語でも読者を引きつける展開が作れるようになるはずですが、諸般の事情によりこの企画は終了します。諸般の事情とは──
というような唐突さこそ引きの極意──この手法は冲方丁さんの本で解説されています。こんな感じで読み手を翻弄してやりましょう!