やわらかいプリン、固いプリン、そんなの人の勝手──といいつつトレンドとは移り変わるもの。ローソンより2019年6月に発売された『クラシックプリン』が示すクラシック像は、どの時代の味のことをいっているのでしょうか。
定番スイーツはと訊けば、3人に一人はプリンと答えることでしょう。それだけに妥協のできない商品──もちろん三大コンビニでも必ずラインナップに入っています。プライベートブランドを含めて数多くの商品、そしてネーミングがある中、ローソンは『クラシック』と形容。【とろ生カスタードプリン】や【プッチンプリン】【焼きプリン】などそれぞれの特徴を表す部分が、クラシック──良く解釈すれば『伝統を重んじたプリン』ということでしょうか。
この場合の伝統とは日本に伝来したのちのカスタードプリンを指し、西洋料理としてのpudding(プディング)は恐らく無関係。プリンの伝来した江戸後期の日本には、プリンを構成する主な材料【卵】【砂糖】【牛乳】が揃っていたため、現代のものとそこまで差異はなかったと思われます。
唯一ゼラチンはあまり普及していなかった時期なので『蒸し』or『焼き』のはず。原材料にゼラチンが入っていますが、ここは目をつむっておきましょう。
さらに戦中戦後は砂糖が手に入りにくく、それより古いとなれば、メインのコンビニ利用層にあまり刺さらないため、昭和中~後期の喫茶店、または家庭で作られていたプリンのことだと目算、そして生クリームが載っているので、喫茶店を想定した味だと推測できます。
つまり、ローソンの【クラシックプリン】は昭和中後期の喫茶店の味をイメージしたプリンに違いありません。
クラシックの名前からローソン【クラシックプリン】の見た目に懐かしさを覚えるかといえば、実はそうでもありません。一つはクリームの形。カップ入りという点で仕方のない面もありますが、均等にならされ、絞り袋のひだも、ツノもほとんどありません。
何より『あの頃』を感じさせる、さくらんぼが載っていない! 税込み200円という値段を考えればシラップ漬け+着色なんて面倒な果物は入れられないのでしょう──でも本音をいえば、クラシカルなプリンには、真っ赤なさくらんぼが載っていてほしかったですね。
個人的な願望はさておき、プリン本体は弾力が少し強め。おそらくゼラチンの作用でしょう。最近のプリンにはよく入っていますよね、ゼラチン。なので画像を見ての通り、すくっても形が崩れず断面はキレイめ。ゼラチンが入ると最近っぽさが出てしまいますね。
クリームの味はミルク感おさえめで、そこまで存在をアピールしてきません。よく考えると、クリームとプリンにそこまでシナジーはない気もするので、これくらいがちょうど良いのでしょう。
スプーンに感じる弾力のわりに、口に入れたプリンは柔らかいように思います。そして生地からなぜかカラメルの味が──手作りっぽさの演出だとしたら関心しますが、はたして……? カラメル層まで達せずともほの苦さを感じられるのは珍しい! わりと好きです。
逆にカラメル層は甘いだけで苦みがほぼゼロなので、これならないほうが良いかなと思います。カラメルが苦手な人は食べやすいかもしれませんね。
美味しい、けどクラシックらしさはあまりなかったです。
品名 | クラシックプリン(Classic Pudding) |
販売 | ローソン(Uchi Cafe) |
製造 | コスモフーズ株式会社 |
原材料名 |
牛乳、卵、糖類(砂糖、異性化液糖)、クリーム、植物油脂、ゼラチン、脱脂粉乳、乳化剤、糊料(増粘多糖類)、pH調整剤、香料、(原材料の一部に大豆を含む) |
栄養成分表示 | 熱量226kcal、たんぱく質7.8g、脂質11.4g、糖質23.0g、食物繊維0g、ナトリウム90mg |
価格 | 税込み200円 |
公式サイト | https://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1374415_1996.html |