プリパラ再放送! もう一度らぁらと『ともだち』になろう

プリパラ生きているうえで、人は様々な壁に直面します。性別、身体の特徴、性格、容姿、そして才能。もちろん努力で解決できるものもあれば、そうでないものも。くわえて外的要因。家庭環境や対人関係、行動の選択……そうして大人なったあなたの心は、今がどんなに幸せでも、苦しくても、きっと疲弊しているはず。それらは心の傷となり……ええい難しいことはいい! 癒しが欲しけりゃプリパラを観ろ!!!

世界を平和にするアニメ【プリパラ】とは

大半のホビーアニメと同じく『プリパラ』というテレビ番組、ないし場所が超メジャーな世界。ですが同じなのはそこまでで、他のホビーアニメどころかアイドルアニメとは全く違う世界観の番組です。

まず入場に必要なチケット『プリチケ』がいつの間にかどこからか届く。もう不審でしかありません。自宅学校道端問わず、どこからかプリチケは現れます。主人公の『らぁら』の場合は振り回した鞄の中から飛び出してきます。……とまあこれにはカラクリがあるので、第3期をご覧ください。

不条理ともいえるギャグの数々

いずれ掃除機や炊飯器も自我を持って動き出したりアイドルになったりします……だけでは怒られそうなので補足を。まず監督が『おねがいマイメロディ』や『ミルキィホームズ』など、その筋では有名なカオスアニメを制作した【森脇真琴】さん、とこれだけでも一筋縄でいかなそうなのに、脚本陣も過去ないし未来で同系統のお話を書いた人ばかり。もちろん真面目にやるところはやりますが、人がクラゲ化したり施設が爆発崩壊するなんて序の口です。

……まったくアイドルアニメっぽくない説明ですが、安心してください。してくださいったら。

もちろん可愛いだとか、楽しいだとか、それだけではありません。出会う人物は一癖も二癖もあるキャラばかり。時には意見のぶつかり合いも。立ち向かうのは我らが主人公らぁら!

主人公【真中らぁら】とは

もう大項目にするぐらい重要なのが、主人公の真中らぁらちゃんです。南、北条、東堂、ウェストらの一期メインメンバーの苗字で真ん中を表す【真中】姓、名前から主人公です。詳しくは後で語りますが「嫌い」「許さない」「やりたくない」など、ネガティブな言葉はよほどのことがない限り言いません。

そして他人の弱みも笑わない肯定力……!

最初は自分自身も声が大きいことにコンプレックスを持っていますが、それが強みだと教えてもらうやいなや、その方程式を利用して、様々な悩みやコンプレックスを溶かしていきます。最初に挙げたような悩みも、らぁらにかかればきっと……と心に勇気を与えてくれる、主人公の中の主人公なのです!

口癖は右ピースを右目の周辺にあてての「かしこまっ!」。言葉警察も沈黙する万能ワードです。みんなで言いましょう。かしこまっ!

それぞれの関係性から見る【らぁら】の魅力

姉妹としてのらぁら

主人公、真中らぁらは本作【プリパラ】の主人公。小学5年生ということもあって生意気ざかり……ではありません。朝から放送されているプリパラを見て騒いでいると、妹の『のん』から「3年前の伝説のライブだね」と暗に(それくらい知ってて当然でしょ)と言われているにも関わらず「へぇー、さすが、のん!」と素直に持ち上げます。

実際に妹ののんのほうが博識で有能なのですが(そして姉に対抗意識を持っていて鼻にかけている部分もあるにも関わらず)、姉という立場からかさにかかることなく、驚くほど素直に能力を称えるのです。

のちに妹がアイドルとなり、やや姑息な手段でらぁらを攻め落とそうとして失敗した際も怒ることなく、その努力を否定しません。それどころかデビューしたなら一緒にライブしようと誘って断られてもめげず、さらに後に姉妹ライブの願いが叶い、本当に嬉しそうにしています。

らぁらならきっと、姉だとしても妹だとしても、上手くやっていける気しかしません。らぁらは生まれもっての天然姉妹(スール)なのです!

娘としてのらぁら

妹を称えた直後のこと、母親に「大声を出さない!」と叱られます。ここも従順に……というわけではないのです! それだけは聞き捨てならない部分、つまり大声はらぁら唯一のコンプレックス。「大声はママゆずりだからしょうがないじゃん!」と反撃します。しかしこのコンプレックスは1話の後半で見事に『特技』へと昇華されます。

その部分はさておき、らぁらは娘としても魅力いっぱい! プリパラでアイドルとして活動しなくてはいけないなか、ちゃんと家のレストランもお手伝いしてくれます。しかもちゃんと手伝っていたからこそ、一生の友人『そふぃ』との出会うことができるのです。

舞台装置と言われてしまえばそれまでですが、直接的ではないにしろ、ご褒美があるのです。世の中の子供に少しでも「家の手伝いをしたらいいことあるかも?」と思わせてくれること自体、教育にも良いのではないでしょうか。

……アイドルアニメでそこまで読み取る子供がいるかは分かりませんが。

相棒としてのらぁら

らぁらは全話を通して数々のキャラクターと組んでライブを行います。アニメの1話では、そんな中でも間違いなく1番多く一緒にライブをする『みれぃ』と出会います。最終的にそふぃを入れて3人でチームを組むことになりますが、そこまでで何度も何度も二人でライブをこなします。以降も幾度となくデュオ・トリオで劇中劇外問わずに数えきれないほど……。

チーム『SoLaMi SMILE』の支柱でありながら、二面性アイドルということもあって脆い面もあるみれぃを、らぁらはプリパラの内外で何度も何度も何度も助けてくれます。年上も年下も関係なく、らぁらとみれぃは手に手を取り合って壁を打ち破っていくのです!

計算高いみれぃはすぐに「無理」と結論付けてしまいますが、らぁらは「私たち(みれぃ)なら、できるよ!」と必ず元気付けてくれます。そのらぁらを「らぁらならできる!」と引き立てたのは他ならぬみれぃ……持ちつ持たれつ、これほどまで最高の相棒は他にいないでしょう!

二人の最初のオリジナルソング【ま~ぶる Make up a-ha-ha!】ではプリパラ全体のキーとなる様々なワードが散りばめられています。

・夢に全力、友情×友情
・噛みあわない二人は神アイドルを目指すの
・新しい私へLet's Make up
・一人じゃなくて君と。誰かじゃなくてあなたと
・出会わなかったら、ただ通り過ぎていた世界
・好奇心になら負けてもいいよ。でもね、後悔に負けちゃダメだ
・誰かじゃなく君たちと作って広げるパラダイス!

救いとしてのらぁら

SoLaMi SMILEの3人にはそれぞれ『大声』『猫かぶり』『虚弱』という弱点があります。大声は武器だと相棒のみれぃに救いをもらったらぁらは、その武器を勇気に変えて、天の上の人にも等しいそふぃを救います。

それまで虚弱という弱点を隠して孤高のアイドルとして活躍していたそふぃの弱点を知って、それでもなおその弱点を笑わず、見下さず、認めたうえで友達に、仲間に、チームになろうと、みれぃが無理だと言い続けてもらぁらは諦めず誘い続けます。

この姿勢はシリーズを通して一貫するもので、らぁらは常に弱者に、時には強者や自分を嫌う存在にさえも……。のちにSoLaMi SMILEは設定としての『神アイドル』になりますが、その段階で神性を得ていくのがらぁらなのです。

神への階段を駆け上がる軌跡の予兆を与えてくれる曲は【pretty prism paradise!!!】。

・独りきりじゃもったいない! こっちに来て一緒に歌おう!
・一緒に叶える奇跡、届かせたい空まで
・どんな自分になってみたいだろう……キラキラ輝いてみたくない?
・何にだってなれるよ、あなたが信じてるから
・計算できない感激、響かせたくなったの。手をつないで
・いつでも笑顔で会おうよ。どんな自分も、どんな未来も選んじゃおう!
・心のプリズムを通して見えた未来はきっと素敵なパラダイス
・こっちへ来て! 待ってたんだよ! 早く一緒に遊ぼう!

親友としてのらぁら

らぁらにはプリパラアイドルに入るずっと前からの親友『なお』がいます。自分にはプリパラアイドルは無理と思っていても、やっぱり二人でプリパラに行ってみたい……そんな夢を語る間がら。誕生日には毎年、同じものを送りあい、互いの成長を忘れず祝福します。

どれだけらぁらがプリパラの英雄として地位を確立していこうとそれは変わらず、きっと歳をとっても変わらずこの友情は続いていくんだな……と予感させてくれます。

敵としてのらぁら

過去に囚われ凝り固まった社会的強者、完璧なアイドル、意見の違う人、神などなど、ホビーアニメの例にもれず、らぁらの前には数々の敵が立ちふさがります。彼からしてみれば、絶対に折れることのないらぁらは忌々しい存在に違いありません。

本当に理由が分からず「どうしてそこまで」と視聴者の中には恐怖を覚える人もいるかもしれません。ですがそれがプリパラであり、それがらぁらという存在なのです。らぁらには、たくさんの『ともだち』がいて、ともだちに支えられてそこに立っている。『ドキドキするとき無敵』とは、つまりそういうことなのです。

母としてのらぁら

何を言っているのか分からないでしょうが、らぁらは小学生にして母になります。どこの子かも分からない赤ん坊に「ママ」と呼ばれ、それを受け入れてしまうのです!

しかも女児向け作品にありがちな安易な子育てではありません。家族や友、そしてライバルをも頼って、弱音を漏らさず娘『ジュルル』に愛を持って接します。困ったら頼る、分からなかったら聞く……素直ならぁらだからこそ、ジュルルは彼女を選んだに違いありません。その証拠に、女神として成長したジュルル(ジュリィ)は、大きくなっても「ママ」と呼び続けます。

全く関係ないですが、このママ呼びの破壊力はすさまじく、ジュリィへの好意はもとより、らぁらに対しても「らぁらママ」と呼んでしまう視聴者が見受けられました。神性と母性は紙一重ともいいますしね。

先輩としてのらぁら

第4期、アイドルタイムプリパラではらぁらに後輩(同級生)ができます。その名も『夢川ゆい』。女子プリパラのない町でただ一人プリパラアイドルを目指す女の子。

なのですが、最初はあの『らぁら』だと信じてもらえません。ただ憧れているだけと思われ、色々教えてくれるのですが……らぁらは「そんなこと知ってる」と偉ぶるわけでもなく「そうそう!」と一緒に楽しくお話してしまうのです! この時点でプリパラ内の神に等しいらぁらですが、困ってこそいるものの、まったく屈託なく初心者のゆいと同じ場所に立って夢を語るのです。理想の先輩どころの話ではありません。らぁら……。

神としてのらぁら

残念なことに英雄という立場に胡坐をかいてしまうことも多い前作主人公。W主人公という形をとっていますが、アイドルタイムでは、ゆいの夢と成長が主なテーマに。プリパラを導く存在たれと任務を負ったらぁらは当然、ゆいと二人三脚でプリパラを盛り上げていきます。少し頼りなくも思えますが、それこそが『真中らぁら』の魅力なのです!

そんな二人の曲が【ブランニュー・ハピネス!

未来=ゆめかわ×かしこま!

再放送【プリパラ】で、もう一度らぁらと友達に

残念ながらプリパラはアイドルタイムをもって放送が終了してしまいました。現在は後継の【プリチャン】が放送中──しかし! このたび2019年10月3日からプリパラの再放送が始まります! さらに中旬からはアーケード筐体も復活します。かなり大雑把に説明してしまいましたが、少しでも気になった方は是非、アニメ【プリパラ】をご覧ください!

公式サイト https://pripara.jp/allidol/