砂糖、ショ糖、ぶどう糖。糖と名のつくものは数あれど、脳の栄養はただ一つ。驚異のぶどう糖90%を誇る森永のラムネで全集中!
一般的に『ラムネ』といえば二つに分かれる。一つは独特な形のビンに入った炭酸飲料。もう一つがその味を再現または連想させる駄菓子である。
そして森永の【ラムネ】は味と見た目の両方を模した品。メディアなどで取り上げられる際にはよく【森永ラムネ】と表記されるが、商品名はただのラムネ。飲料名をそのまま冠したのは自信の表れか──見た目、味ともに再現性は非常に高い。
1973年発売。名称は【清涼菓子】、製造は【浜田食品工業株式会社】。エメラルドグリーンの瓶を模したクリアな容器が棚に並ぶ様はなかなか壮観。
近年では『グレープ』『メロンソーダ』といった味違いのほか「大人もはまる!」と『大人向け』なフレーズを掲げ、一粒1.5倍サイズの【大粒ラムネ】も展開している。通常29g→大粒41gの約1.4掛けでほぼ同じ数値になるので、中身に違いはないと思われる──ただ、袋入り・大粒になることで駄菓子的な手軽さは消え失せている。
もとより歯ごたえも出てしまうため、好き嫌いが分かれるところだ。個人的には集中する時のお供のため、カラコロと音が鳴らないのがマイナスポイント。
以前からラムネ菓子といえば森永のアレ、と認識されるほど不動の地位を誇っていたが、近年になってぶどう糖の部分がフィーチャーされるようになってきている。というのもヒトが思考するのに必須の栄養素なのである。
もちろん一般的な食品からも摂取できるものの、体の中で消化・変換する必要があるため、効率は良くない。直接摂取できるとなれば、それのほうが良いに決まっている──ブドウ糖自体が薬局等で売っているころからも明らかだ。
ただでさえ頭脳労働が多くなってきている現代日本のこと、頭を使う学生や社会人が目を付けるのは必然だったといえるだろう。今ではオフィスやコワーキングスペースで備品としての導入はもちろん、東京大学とコラボまでしていたりもする。公式で大々的に「脳に効く」とは謳っていないものの、効果は保障されているも同然だ。
ちなみにラムネ菓子は『砂糖』もしくは『ショ糖』が使われているのが一般的。ラムネ飲料のシュワシュワ感を求めての採用らしい──思わぬところで人気が出たものである。当時の開発者が認知しているのか知る由もないが、まったく予想もしていなかったことだろう。
森永のラムネの魅力は味だけではない。見所の一つはそのパッケージ。瓶飲料のラムネそのままなのである。どうだろう、食べる前に思い浮かぶのは空になった容器の使い道ではないだろうか。砂を入れてもいいだろう。
水を入れたっていい。食べている最中にジュースを入れても美味しそうだし、風呂桶に入れてロケットにして遊んでもいい。もちろん大人になってから実行はしないかもしれない。しかし、なんともインスピレーションをくすぐられる造形ではないだろうか。
キャップをとめる包装には、ラムネをイメージしたと思われる可愛らしいキャラクターが描かれている。しかも1種類ではなく、何パターンも用意されているのが嬉しい。
このキャラクターは2001年に登場した通称『ラムネちゃん』。感情が多彩なようだが、何を考えているのかはよく分からない。それに重なるように先述の「ぶどう糖90%」の字が躍る。これは2016年ごろ、ぶどう糖の効果が知れ渡ってきた頃に、人気を後押しするために入れられたようだ。
ラムネ本体は混じりけのない白。ガッチリと固くもなく、口に入れただけで溶けるほど柔らかくはない独自の食感──ぶどう糖が影響しているのだろう。ホロホロとした噛み心地は他のラムネにはないオンリーワンの要素だ。味はどちらかというと酸味が強く、甘みは控えめ。砂糖のダイレクトな甘みが苦手でも食べやすい。何かに例えるとすれば、清涼感の強いスポーツドリンクといったところか。
重層が入っていないのに、なんとなくシュワシュワ感じるのは、これもブドウ糖のおかげ。口内の水分に触れると吸熱反応があるためとのこと。ぶどう糖は製品としての特長も強める、隠し味でもあったのだ。
ちなみに、スマイルパナップや星形ピノほど低い確率ではないが、たまに粒の表面がラムネちゃんになっていることがある。開けずとも入っていることが分かっても、こういった遊び心は素直に嬉しいものである。
品名 | ラムネ |
販売/製造 | 森永製菓/浜田食品工業 |
原材料名 | ぶどう糖、タピオカでん粉、ミルクカルシウム/ 酸味料、乳化剤、香料、(一部に乳成分・ゼラチンを含む) |
栄養成分表示 1本(29g)当り |
熱量108kcal、たんぱく質0g、脂質0.3g、 |
公式サイト | https://www.morinaga.co.jp/products/detail.php?id=PRD2009-08-0326 |